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地域歯科保健・介護予防事業に活かせる
指導用ツール「動くペープサート」について
はじめに
21 世紀に入って国は、国民の健康づくり対策として「健康日本２１」指針を策定し、
歯科においては8020 運動として様々なヘルスプロモーション事業が推進されています。
新たな健康増進法では第17 条保健指導等での生活習慣の改善に関する事項において、相
談、保健指導者として歯科医師、歯科衛生士が明示され、益々の地域歯科保健における活躍
が期待されているところです。
また平成18 年4 月に改正された新介護保険制度には、介護予防として地域支援事業や新
予防給付が新設され、「口腔機能の向上」がサービスメニューに入り、歯科衛生士がサービ
ス担当者として位置づけられています。
今後広がると思われる保健・医療・福祉現場における事業において、歯科衛生士が行う口
腔ケア・保健指導は、生涯自分の歯でおいしく食べられ、ＱＯＬの向上と健康寿命の伸展、
介護予防に寄与するなど、大きな役割を果たすことが出来ると考えています。
平成15 年までの16 年間、京都府庁において保健所を拠点としたヘルスプロモーション事
業の実施に携わり、その間、歯を守ることの大切さを子どもから高齢者にいたる住民に対し
て、普及・啓発するためにより効果的な事業内容の企画や保健指導のアイデアを実行してき
ました。
今回紹介するペープサートも歯科保健指導を行う上で作製した教材の一つですが、協働し
てきた保健師や保育士、養護教諭等から「わかり易い」、「工夫が楽しい」、「絵が可愛い」、
「手軽に使える」などの評価を頂き、参加された方々からも大変喜ばれました。
現在は乳幼児編（20 枚）、保育所・幼稚園･小学校編（50 枚）、中学校編(30 枚)、成人・
高齢者編（30 枚）、障害児編（20 枚）が完成しています。
その中で人気の高かった保育所・小学校編から選んだ20 枚を2005 年に、成人・高齢者編
30 枚を2007 年に、（財）口腔保健協会より「楽しい歯のおはなし 動くペープサート」と
して出版しました。
出版本はペープサート組立て方のほかに、指導のポイントやセリフなど実際の指導に役立
つ内容が盛りだくさんにセットされています。
ペープサートは名の通り、講話の中で見せる挿し絵のようなものですが、時には人形劇の
ように主役になって活用することもでき、いろいろなストーリーで演じることが可能です。
手足が動き、口から食べ物が食べられるなどの工夫がされていますので、子どもから大人
までどんな歯科事業にでも活用できる楽しく、愉快な指導用ツールです。
市町村保健センターや保育所、幼稚園、小・中学校、病院、診療所、高齢者福祉施設など
あらゆる場所で、手軽に活用頂ければ幸甚に思います。
ぷらす歯科衛生士事務所 佐々木 妙子
